佐賀をば彷徨してみつつ 其之一
ちょいとばかりドライブが趣味である事の掘り下げなんぞを
これは幼い頃、微かに残る記憶と当時はこうだったと
私の行動を知る両親や親戚などから聞いた話。
まだ私が物心が付くか付かないかという微妙な年頃から
宵っ張りな性癖があったらしく、夜はさっぱりと眠る
気配がなかったそうな。
その上、夜遅くに帰宅していた父親が寝付いた我が子を
起こしてあやしてくれたのは親心だったのだろうが
それが日常と課せば益々、夜になるとテンションが上がり
相手をしてくれとせがんでいたらしいとは母親の言葉。
苦肉の策として当時、同居していた母方の祖父、祖母が
夜な夜な乳母車、今で言うベビーカーに乗せて
近所へ散歩に連れて行けば大人しくなり
家へ帰り着く頃にはスヤスヤと眠りについていたそうだ。
ここからは微かな記憶を手繰りつつ思い出していくと
毎日ともなれば、まぁ賢しくも散歩のルートを把握していって
このコースは帰宅ルートと分かれば愚図りだし、毎夜事に
コースの工夫をしていくというイタチごっこが繰り広げられる
随分と家族不孝なクソガキであった
それも日を追う毎に減っていき、落ち着いてきた・・・筈だったが
自力で動き回れるようになるとこれまた奔放に動き回り
ご近所さんに回収されて帰宅するという始末に負えない
成長過程を遺憾なく発揮していく・・・